4.SOYLAX®誕生秘話

talk_1.SOYLAX®開発チームリーダー 松川が語る

ペプチドは、タンパク質を分解する途中で発生する物質です。
近年の研究により、ある種のペプチドには血圧を下げたり、コレステロールを下げたり、中性脂肪を下げたりと、私たちの体に積極的に働きかけることが分かっています。
ここではメンタル面など脳機能に関係するペプチドを中心にお話をすすめます。

タンパク質→[分解]→ペプチド→[分解]→アミノ酸

1.想像もつかないような機能の宝庫
「ペプチド」

[1]

小麦粉の中のグルテンというタンパク質が分解されるとオピオイド様の活性を示す、という論文を読んだ時の衝撃が忘れられません。オピオイドとは、鎮痛剤の一種です。例えば医薬品の「モルヒネ」は鎮痛などの薬理作用があり、末期がんの疼痛を抑えるために投与されることがあります。こんな魅力的な成分が、小麦粉から生まれるとは大発見だ、と思ったのです。
未だに十分な証明はされていませんが、この理屈では「うどん」を食べると、消化の過程で同様のペプチドが出現し、ハッピーになるのです(医薬品より効き目は桁違いに弱いので感じないかもしれませんが…)。

[2]

赤ちゃんがおっぱいを飲んでぐっすり眠る。これもペプチドの影響があると言われています。母乳に含まれるカゼインというタンパク質が消化酵素で分解される際に、β-カゾモルフィン、というオピオイドペプチドが発生します。オピオイドですので気持ちがよくなり安眠効果があります。

このメカニズムが存在していること自体に意味があるのではないか?という視点で考えると、赤ちゃんがお母さんのおっぱいをたっぷり飲んで安眠して大きくなる、という仕組みを乳タンパクは潜在的に持っているのかもしれませんね。

このようにタンパク質の消化の過程で発生するペプチドには、まだまだ秘められた機能が潜んでいるのです。
口から食事をとり、消化管で消化しながら栄養素を吸収するという生物本来の営みはこのような恩恵を受けるために重要なのかもしれませんね。

大豆(イメージ)

2.“リラックス効果”をもたらす!?
ペプチドの潜在パワー!!

機能を持たないタンパク質からも、酵素で消化されると機能を持つペプチドが出現するということが研究で次々明らかになっています。
口から食べたタンパク質が消化管内で秘められた機能を発揮する、この現象が食後のリラックス効果と関係している可能性があります。食後はホッとした気分になり、くつろげる事が多いのではないでしょうか。

つまり「口から食事をとり消化管で消化しながら吸収する」という行為は単なる栄養補給以上の意義があるのです。
食品の持つ味や香りや食感に加え、消化の過程で出現したペプチドのパワーによって、私たち人間はリラックス効果を得ているかもしれませんね。

リラックス(イメージ)

3.京都大学を含む農水省プロジェクト

ペプチド研究の一例をご紹介いたします。

平成26年~28年に農林水産省の予算で行われた研究があります。京都大学大学院農学研究科、公益財団法人かずさDNA研究所、そして国立精神・神経医療研究センターの3機関の共同研究です。
「ペプチド構造-活性相関を基盤とする神経系に作用する高齢者対応食品の開発」というテーマで、特に高齢者の神経機能低下に対応した医薬品も視野に入れた高機能な次世代食品を開発しようというプロジェクトです。

この研究では、意欲向上、ストレス緩和、食欲促進作用を示すペプチドの構造的特徴を基に、食品のタンパク質から機能性ペプチドを見出し、生産技術の基盤構築を目指しました。

分かりやすく言い換えますと、お年寄に「もっと運動して足腰を鍛えなさい、家の外に出て社会性を保ちなさい、たくさん食事をとって筋肉量を維持しなさい」と言ってもメンタル自体が衰えていては、意欲や食欲が低下しており動き出す気になりません。
何かを始めるためには、メンタルをケアし意欲を向上させることが肝心です。この研究プロジェクトでは自然の食品成分からメンタルをケアし意欲を向上させるようなペプチドを発見しよう、また発見するための効率的な研究の仕組みを作っていこう」というものです。

京都大学(京都大学提供)

4.SOYLAX®に含まれる
ソイデプレスタチンの発見!!

無事にこの研究が遂行された結果、大豆や野菜やコメなどのタンパク質からメンタルケアに効果のあるペプチドが複数見つかりました。
なかでもUHA味覚糖が注目したペプチドは、大豆のタンパク質βコングリシニンを酵素で消化して得られるソイデプレスタチンと呼ばれる10残基のペプチドです。

ソイデプレスタチンと呼ばれる10残基のペプチド

注目した理由はまず効きめの高さです。
強力な効きめがあることから、少量の摂取で効果を得られるのです。

5.SOYLAX®は脳腸相関で作用する!!

次に私たちが注目した点は、ソイデプレスタチンは腸を通して直接脳の中心部に働きかけることができる点です。
これは「脳腸相関」と呼ばれるメカニズムで、腸の表面にある受容体、すなわち信号を伝えるスイッチを押し、迷走神経を介して一気に脳の中心部に信号を届けます。

私たちはこのソイデプレスタチンを含む食品素材を、大豆(SOY) 味とリラックス(RELAX) 作用を合わせSOYLAX®と命名し、メンタルをケアできる健康食品の開発に着手したのです。

脳腸相関の図

このページは、機能性素材の開発情報に関するページでございます。
ページ内の情報は商品自体の効果効能をうたうものではございません。