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ウロリチンサプリメントの失敗しない選び方
効果を期待するならおすすめの指標はコレ!

ウロリチンAは美容成分として知られていますが、オートファジーにも大きな役割を果たしていることが分かってきました。
ウロリチンAはザクロやベリーの他、クルミなどのナッツ類にも含まれるポリフェノールの1種であるエラグ酸が体内で作り変えられたものです。

ウロリチンAを効果的に摂取する方法のひとつにサプリメントがあり、近年ますます注目を集めています。

今回は、あらためてウロリチンAの効果やその性質を確認し、失敗しないサプリメント選びのポイント、おすすめの指標となる情報をお伝えします。

科学的に確認されているウロリチンAの美容効果

今この記事を読んでいる方は美容や健康面への関心が高く、ウロリチンAについてもその特長をすでにご存知の方も多いのではないかと思われます。

一方で、ウロリチンAへの注目が高まるに連れ、出回る情報も玉石混交となっているのもまた現状だと言えます。情報を正しく整理し、美容と健康の増進に役立てていただくために本記事をご活用ください。

まず、美容効果についてですが、ウロリチンAが有効に働くことは下記のように科学的に確認されています。

ウロリチンAの美容効果

健常な日本人女性を対象とした試験において、客観的項目として「肌の弾力やシミ、赤み」「しわ」「毛髪の生え際の目立ち具合」について有意な改善が確認され、主観的項目としても「毛髪の乾燥感および潤い感」「活力」「ストレス」などにおいて有意な改善が見られました。

また、日光に含まれる紫外線に対する防御反応として引き起こされるのが光老化と言われていますが、肌の老化を感じやすい「ハリ」、「シワ」、「シミ」についても下図の通り、有意に改善することが確認されています。

ウロリチンAを1日あたり10㎎、ヒトが12週間摂取し続けた時の肌のハリやシワ、シミに対する効果を確認したところ、それぞれすべての項目で有効であることが確認された。

【出典:卯川裕一 , 髙良毅 , 高沢謙二 , 石輪俊典: ザクロ抽出発酵物(ウロリッチⓇ)摂取によるオートファジーに関連した有効性と体内動態の検証 診療と新薬 2024,61:421-436】

ウロリチンAがもたらすオートファジーへの活性化作用

上述の美容効果も、ウロリチンAが持つ「オートファジー活性化作用」が関係していると考えられます。

オートファジーは、全身の細胞に備わっている分解機構であり、細胞内成分などを回収・分解し、その結果得られる分解物をリサイクルすることで細胞を正常な状態に維持する機構の一つです。あらゆる生命現象に深く関わっており、健康的な生活を送る上で欠かせないものです。

関連記事:「オートファジーとは何か? UHA味覚糖が世界一わかりやすく解説」

オートファジーの研究が進み、現在では「細胞の中身を入れ替える」「有害物の排除」「栄養を得る」という、生体にとって極めて重要な機能を持つことが分かってきています。このことは、逆に言えば、オートファジー機能の衰えは細胞自身の衰えを意味しているということになります。

なかでも「細胞の中身を入れ替える」と「有害物の排除」は、37兆個の細胞からなる私たち人間にとって重要であり、正常に働かないと細胞一つひとつが機能しなくなり不調をきたしてしまいます。

細胞にとって欠くことのできないオートファジーのシステムですが、ウロリチンAはオートファジーを活性化させます。私たちの体を構成する細胞一つひとつを健全な状態に保ってくれるウロリチンAは、若々しく豊かな日々を送りたい私たちにとって、非常に重要な役割を果たし得る存在だと言えます。

オートファジー活性の評価

ヒトの培養細胞にウロリチンAを添加しました。
そして、細胞の不要なものを分解する速度(時間当たりの分解量)を測定したところ、その速度が上昇しており、ウロリチンAがオートファジー活性を高めることが分かりました。

ウロリチンAは食品から摂取できる?

本記事冒頭でも述べたとおり、ウロリチンAはザクロやベリー、クルミなどのナッツ類に含まれるエラグ酸から体内で作られる成分です。

では、ザクロなどこれらの食品をどんどん食べることで、美容面でも身体の健康面でも良い効果が期待できるのかと言えば、単純にそうだとは言えない面があります。

ウロリチンAは、エラグ酸というポリフェノールの一種が腸内細菌によって代謝されることで生じます。
しかし、実は私たち日本人は、このエラグ酸を代謝できる腸内環境を、全体の53%の人しか持っていないと言われており※、持っていない人はこれらの食品を食べてもウロリチンAが体内で生成されないのです。

※卯川裕一ほか. “機能性腸内代謝物素材ウロリチンAの開発”. 日本栄養・食料学会誌, 2023, Vol76, No.6, 383-390

また、現在ウロリチンAを生成できる腸内細菌を持っている人でも、腸内環境の変化で生成できなくなってしまう可能性があり、さらに、ウロリチンAは体内で蓄積されずに排出されてしまうため、その恩恵を受けるためにはウロリチンAを継続的に摂取することがお勧めです。

そうした状況から、ウロリチンAを手軽に摂取できるサプリメントの存在が大きな注目を集めています。

失敗しないウロリチンサプリメント選び、おすすめの指標とは?

では、ウロリチンAを含むサプリメントであれば、どの製品でも問題ないのでしょうか?

ウロリチンAが注目を集めるに従い、より多様なサプリメント製品が市場に出回るようになっています。しかし、十分な量(10㎎/日)のウロリチンAが配合されているのか、その品質を試験で確認しているのか、商品を一見しただけで見分けることは難しいでしょう。

実は、ウロリチンAを含んだサプリメント選びで失敗しないために、知っておくと役立つおすすめの指標があります。

その一つに「オートファジー認証マーク」が表示されていることが挙げられます。

オートファジー認証マークは一般社団法人日本オートファジーコンソーシアム※が制定したものであり、このマークが付与された製品は、日本オートファジーコンソーシアムが定める規格基準に適合した原料を含有した製品であることを示しています。

※オートファジーコンソーシアム:
オートファジーに関連する産官学の活動を促進することで、我が国の経済発展と国民生活の向上に寄与することを目的として設立された。

粗悪な製品が出回ることで、高品質で十分な効果が期待できる製品、ひいてはウロリチンAやオートファジーそのものまでもがその信頼を失ってしまうことを防ぐためにも、オートファジー認証マークが持つ役割は意義深いものだと言えます。

ウロリチンAの効果を最大限享受するためにも、これらの点も参考にしながら、ご自身に合ったサプリメント選びをしてください。

※「オートファジー認証マーク」は、日本オートファジーコンソーシアムの登録商標です。

※「オートファジー認証マーク」の付与を行っていない「オートファジー」を訴求・標榜する製品に対しては、日本オートファジーコンソーシアムは関与しておりません。

最新研究情報

オートファジーは、細胞内成分などを回収・分解・リサイクルすることで細胞内自身を正常な状態に保つ、生命維持に欠かせないシステムです。特に、細胞内でエネルギーを生み出す、いわば細胞内の発電所のような働きをしている小器官を ミトコンドリア といいます。このミトコンドリア内ではまさに発電所と同じく、栄養素を燃焼させてエネルギーを取り出しています。そして、大量の活性酸素が生じています。
ミトコンドリアが古くなってくると、その活性酸素がミトコンドリア外にも漏れ出てしまうため、細胞は絶えず古くなったミトコンドリアを分解して、新しいミトコンドリアと取り換える必要があります。

この古くなったミトコンドリアを分解する働きも、オートファジーですが、特別にマイトファジーと名付けられています。ウロリチンAとマイトファジーの研究は非常に進んでおり、2022年に発表された論文では、実際に中年のヒトに対してウロリチンAを4カ月間摂取してもらったところ、マイトファジーが活性化し、筋力が増加したり、運動能力が向上したりすることが示されています。

【出典:Anurag Singh, et al. : Urolithin A improves muscle strength, exercise performance, and biomarkers of mitochondrial health in a randomized trial in middle-aged adults : Cell Rep Med. 2022 May 17;3(5):100633】

POINT

・ウロリチンAには美容効果がある

・ウロリチンAの美容効果にオートファジーが関係していると考えられる

・ウロリチンAのサプリメントを選ぶ時には認証マークをひとつの目安に

監修
UHA味覚糖 バイオ開発ディビジョン 執行役員
一般財団法人 日本オートファジーコンソーシアム 理事
松川泰治

UHA味覚糖 バイオ開発セクション
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